【21.02.13】ホテルマネジメント雑学ノート(Vol.98) 「すべては共創になっていく」

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私が仕事で関わっている「接客」と「教育・研修」、この二つ、本質は同じです。どちらも提供者と受給者がいるし、価値は目に見えない。今年度、教育の場面と、ホテル・旅館の接客の場面で、大きな感動を得ましたが、実はその感動は、根っこは同じであることに気付きましたので、このブログに記すことにします。

2020年度、第九回「プロフェッショナルホテルマネジャー養成講座」、立教大学観光学部のゼミ、沖縄のホテルGM育成という3つの設計・伴走という仕事を夢中で行いましたが、達成感、遣り甲斐と共に、ものすごく大きな感動を得ました。走り切った瞬間に感じる一体感という感動。

いろいろ考えるに、この感動の源泉は、相対する提供者と受給者という関係ではなく、一緒になって同じ方向を目指し、同じ熱さを持ってゴールを切れたということだと思い至りました。

つまり、受講生・ゼミ生・研修生の皆さんは受講料という金銭という価値を払っていますし自分の時間を費やしています。私は知見や研修ノウハウや情熱や時間を払っています。こう考えると、どちらも提供者です。相対する姿勢(向き合う姿勢)ではなく、設定したゴールという同じ方向を向いた同志として、設定したゴールを切るということを一緒に達成した、その一体感が快感なのではと思います。


鍵は「一緒になって価値創造に夢中になる」こと

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同じように接客を考えると、接客も同じだということに気付きます。

接客スタッフは、サービスや自分の時間を提供し、お客さまは金銭と時間を提供します。で、ここでも感動を創るのは、やはり、一体感。サービスは提供するものじゃなく、スタッフとお客さまが一緒になって創るものとしてできた空間や時間や心と心のふれあいを感じた瞬間、感動となる。そのためには、お互いが心を開く必要があります(稲取の浜の湯の仲居さんは、見事にこれをやっています。つまり、自分から素をさらけ出すことによって、お客さまも喜んで自分の素をさらけ出す。結果、精神的な距離感は極めて近くなっていく・・・)。私の記憶に残る宿泊体験って、やっぱり、スタッフと友達くらいに仲良くなれたホテルや旅館の滞在です。

これからの世の中、単なる知識の伝達だけをする講師や、単に接客を一方的に行なうサービスマンは、きっとAIやロボットに替わっていくのでしょうね。

最近、おもてなしだけで「家族を養いながら人間らしく生きていく所得を得る」にはどうしたらいいかということをよく考えますが、上記のような共創のホスピタリティをすることができれば、真の意味でのプロフェッショナルサービスマンとして生きていけると思います。厳しい言い方をすれば、そのくらいのプロ意識がない人は、薄給のままになる。
キーワードは、「一緒になって価値創造に夢中になる」ではないでしょうか。

仕事と遊び、住むと泊まる、旅と仕事などなど、いろんなことがボーダレスになっていくのかなと感じています。2者を分けずに考え、同じ方向を向くってことこそ、ポストコロナ、新・資本主義時代のキーワードなのかもしれません。


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追伸 最近流行りの「Clubhouse」の面白さもこの一体感ですね。ラジオ番組を聴いているようんですが、手を挙げてその会話に参加することができて、一緒に会話を盛り上げることができるという・・・。ホテルのCX設計なども、経営者が決めて現場に落とし込むのではなくて、一緒に創っていったほうがドライブするのも同じ原理でしょうね。


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