【20.10.01】新連載「Game Changer〜変化の時代の自己変革」by 福永健司氏 Vol.2

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あなたにとってのゲームチェンジャーとは何か?



面白きこともなき世を面白く すみなしものは心なりけり


自分の心の持ちよう次第で面白いことがない世でも面白く感じられるし、面白くすることもできる。という一句です。

そこに疫病があろうが不況があろうが極論、関係ないのです。時代背景があっても時計の針は止まらず、またやり直しもさせてくれません。今、この瞬間、この時間はあなたにとってかけがえのない他に代わりのない最重要なものなのです。

You Only Live Once(YOLO)― 人生は泣いても笑っても1回きりです。

そうした意味では我々は外的要因があろうとなかろうと自身を見失ってはいけません。

“やっておけば良かった”人生と、“やっておいて良かった”人生は、文字にすると小さな違いですが自身の満足感や今後のあなたたに大きな影響を及ぼします。自分一人を満足させられないようであれば他人を満足させることなどは無理であると思っています。
また行動とそこから得られる経験や体験こそがすべてだと思います。頭でっかちにならず、怖がらず前に一歩でも進みたいものです。

冒頭の通り、誰かが、ましてや会社があなたのことを面白がらせたりはしてくれません。それは自分で探し、感じるものです。

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紫色のバラ


私は以前に外資系メガチェーンホテルにて日本とグアム地区の統括総支配人の役割を担う機会を頂いたことがありました。そのポジションは新設であり、また日本人としては初めての役割です。従前は東南アジア他国(タイ、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、日本、韓国、グアム)と同じグループでしたが日本&グアムエリアとして独立することになったのです。着任にあたり上司との引継ぎを兼ねて担当となる20ホテル、13社のホテルオーナー(当時)に挨拶に出向きました。

各オーナーにとってホテルは大切な資産ですので、面談の際には現状、そして今後の開発、運営、営業、マーケティング、財務、人事関連につき要望に応じた話をしました。
ご挨拶のスケジュールの終盤を迎えたタイミングでお会いしたオーナー会社との面談の際に女性の方が着物を召されており、それはあるお祝い事があるためだという話になりました。
その日最後の予定だった面談が終わり、帰り際にタクシーに乗った瞬間に上司が一言、「紫色のバラの花束を直ぐに用意し、今夜中に彼女の手元に届くようにしてほしい」というのです(着物の色は紫がベースだったのです)。

“紫色のバラ”。

これはショックでした。お祝い事の話を聞きながら紫色のバラを贈ることを考え、即座にその手配をするという行動力。一方の私は、赤、白、黄色は分かるが、紫色のバラがあるのかがすぐにわからずうろたえました。落ち着いて考えれば存在することはわかるはずですが疲れも手伝って(上司の日程の問題もあり連日の面談で英語通訳を兼ねておりましたのでかなり疲れていました)軽くパニックに陥った記憶があります。結果としては上司の秘書の方に紫色のバラを探してもらい、その夜には先方に無事届けることができました。サプライズでもあり喜んで頂けたのは言うまでもありません。この一件も含め、各オーナーとの面談の際の上司のコミュニケーション能力や様々な発想を目の当たりにし、すべての面談の終了後に今回のポジションを上司のようにやり切れる自信がない旨を正直に話しました。

そこで言われたのが、

「あなたはあなたのままでいい。私は自分のコピーが欲しいわけではなく、あなたのキャラクターやAttitude(姿勢)を買ったのだ。だから自分を無理に変える必要はなく、あなたはあなたらしく振舞えばいい」

と背中を押されました。

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私にとっては“紫色のバラ”は精神的なゲームチェンジャーの一つとして今でも気持ちの中に咲いています。上司の言うように無理に自分を変える必要はなく、自分らしくあればよい。ただし、重要なことはそこに何かを加味し、人とは違ったバリューを出すのかを考え行動に移す必要があるということ。

オーナーもしくはオーナー会社側の代表者とお付き合いするのは、そう簡単ではありません。上司である元担当と違うスタイルをどのように出すのか? どうすれば上司を上回る提案や結果がだせるのか? オーナーにどのように貢献できるのか? そして自分らしさとは何か? という葛藤や自問自答が常にありました。ここであった内省がその後の自分の再構築に役立ちました。


繰り返しになりますが我々は難しい局面に立たされていますが自分らしくあればいいです。しかしながら同時に時代を生きぬくために何らかのトランフォーム(変換)が求められています。

次回のブログからは、より具体的にゲームチェンジャーのヒントになり得る要素を発見する旅に出たいと思います。


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