【19.03.19】新連載「ホテルユニフォーム会計のトリセツ」@


新連載「ホテルユニフォーム会計のトリセツ 〜元外資系ホテル・ファイナンシャルコントローラーによる非経理ホテルスタッフに贈る経理コラム」by 福永健司 の一回目です。


数値=相棒

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筆者である私は文系出身で大学卒業時はスポーツインストラクターとして社会人になりました。数学はもとより自他ともに認める数値、数字が苦手、というより嫌いでした。
そうした背景があるので数値や数字に苦手意識をもつホテリエの気持ち、心情を理解します。私も数値が苦手な皆さんと同じ一人だったからです。

「数字はそもそも苦手だし、分からない」、「ゲストのことを考え最高のサービスを提供することこそが仕事である」、「数値は面倒である、出来るだけ数値より離れていたい」等々。ホテルに入った当時の私の偽りのない気持ちです。

しかしながら現在のホテル業界を取り巻く環境はホテルオーナーにファンドや不動産も多く金融商品あるいは投資の一部としてホテルが存在します。このコラムを読む皆さんの仕事としての立ち位置はそれぞれでしょうが、こうしたホテルオーナーとのやり取りには共通言語、すなわち“数値”でのコミュニケーションが不可欠です。またそれとは関係なく自身が日々、行なっている(ゲストをケアし、上司や同僚とやりとりし、部下を鼓舞する)仕事の結果を測るものの多くは“数値”に置き換えられます。

お気づきになっている方は多いと思いますが、あなたが苦手で嫌いでもホテルは実に多くの“数値”に囲まれて日々の運営を行なっています。そしてこれらの“数値”がゲスト満足や従業員満足、そしてオーナー満足、もっと言えばご自身の満足に繋がっているのです。

数値がすべてとはいいませんが密接に関係するこの数値という相棒と上手く付き合う必要があります。またポジションが何であろうと、ホテルに働いている・働いていない等とは関係なく、一人のビジネスマン(ウーマン)としてこの“相棒”を理解し活用することが自身のビジネスへの理解を強くします。


ホテルユニフォーム会計という名称を聞いたことはありますか?

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よくある間違いで、ユニフォームという名称から“制服”と混同し、「制服と会計になんの関係があるの?」という質問を受けた、冗談なような本当の経験もあります。

平たくいえば、ホテルユニフォーム会計とは、ホテル業績のレントゲン写真です。皆さんが日々実践する運営パフォーマンスの成績表を“部門別に”数字で表現したものです。

このコラムでは、学術的にいちから借方・貸方(経理・簿記用語)を学び、損益計算書(儲かったか、損したかが分かる経理資料)、そしてホテルユニフォーム会計に基づく計算書を作成するということはしません。

それよりもより実践に使えるよう、損益計算書やホテルユニフォーム会計の概要・概略とその活用方法を中心に今コラムにて紹介します。

一人でも多くの非(並びに現)経理ホテルスタッフが経理や数値に興味を持ち、それぞれが“相棒”と共にビジネスマンとして日々を生き抜く参考になれば幸いです。

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