【13.09.02】ホテルマネジメント雑学ノート(Vol.69)

「学び」と「気付き」の間にある掛け算

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 この4月から読書量が減っています。私の仕事部屋のデスク右端の積読タワーは、高くなる一方です。
 なぜかというと、「考える時間」が非常に長くなっているからです。その結果として読書というインプットの時間が圧迫されています。
 なぜ、「考える時間」が長くなっているかというと、一つの理由は、4月から私自身がビジネススクールに通っているということがあります。予習・復習、アサインメントに10時間くらいかかるということもありますが、授業で学んだフレームワーク(考える枠組み)を実際のビジネスに落とし込んで使ってみるという作業に長い時間を費やしています。いつも列車の移動中などでは読書をしてすごしているのに、最近は「フレームワークの落とし込み」や、宿屋大学の新しい事業の戦略やこれまでの事業との整合性を検証したりしています。

 これまで私は、ビジネスの技術を、ビジネス書を読むことで習得しようとしてきました。企画書を書くときは「伝える技術」の本を読み、部下のモチベーションを高めたいときは、「リーダーシップ」の本を読んだりしました。もちろん仕事をご一緒させていただいた諸先輩からも大きな影響を与えられていますが…。
 ビジネススクールに通い始めて再確認させられたことは、「ビジネスには確立されたやり方がある」ということと「“知っているつもり”と、“できる”ことは大違い」ということです。有名なマイケル・ポーター教授の「5つの力分析」も、知っていることと、使って分析し、そこから新しい打ち手を考えられることは大違いです。素振りと一緒で、ビジネスの技術も、何度も何度も使ってみないとボールはバットに当たりません。
 仕事の成果(アウトプットの質と量)は、「インプットの質と量」×「考える力」の解の実行と結果です。これまで私は、読書量によって得る知識や情報をたくさん詰め込むこと、つまりインプットにばかりこだわっていましたが、今後は「考える」ことでアウトプットの質と量を向上させることも心がけなければと考えるようになりました(なにをいまさらなのですが・・・)。

 先日、ある勉強会で、ふと「学びと気づきの違い」を考えました。
「学ぶ」は、インプット。「気づく」は、過去の経験や知識と新しい知識を掛け合わせた結果として新しい知恵が自らの中に生まれること。ちょうど、プラスとマイナスの電流が流れて豆電球が、ピカッと点くイメージです。
 それには、ただ単にインプットを大量に流し込むだけではだめで、流し込む脳みそ(電球)のクオリティ(考える力)を高めないといけない。気づきを増幅させ、新しいアイデアを生み出す(ピカッと光る)ためには、「既に持っている知識や経験値」×「新しい知識やノウハウ」の掛け算を根気よく続けることが大切。そう実感しているこのごろです。

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