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【13.07.23】ホテルマネジメント雑学ノート(Vol.66)
コアを持ちつつ与える人が成功する
私が10年以上前から勝手に「ビジネスの師匠」と仰いでいる神田昌典氏主催の「実践会」という勉強会が、ホテルグリーンコア幸手で7月18・19日にありました。
メイン講師はホスピタリティ・ロジック提唱者である石丸雄嗣氏。ホテルグリーンコアの金子卓司会長が、「石丸さんのホスピタリティ・ロジックをメジャーに広めるには、神田昌典氏に引き合わせ、氏の力を借りることが最も効果的」と判断して実現したコラボ企画でした。
その二日間の合宿講座の内容は実に価値の高いものでしたが、最後に総括として神田氏が語った話のなかで、とても考えさせられる下りがありましたので、それを紹介したいと思います。
神田氏の母校である米国の大学「ウォートンスクール」のアダム・グラント教授が研究発表した「ギヴアンドテイクの成功法則」(「Give and Take: A Revolutionary Approach to Success」http://www.amazon.co.jp/dp/0670026557/)という話です。
「与える人と奪う人は、どちらが成功するか」という研究です(奪う人というのはテイクする人の直訳だと思うので、ちょっとニュアンス違うと思いますが、「与えることを優先する人」に対する「受け取ることを優先する人」というニュアンスで解釈したほうがいいと思います)。
一言では言えないのですがという前置きで、「実は、与える人は出世が遅く、学生は成績が悪い」のだそうです。平均年収をとってみても、「奪う人」のほうが高い。
ところが、「本当に成功する人は、与える人」なんだそうです。割合を見てみると、
与える人=「成功者になっている人」15〜20%。
奪う人=「そこそこ年収の高い人」60%
与える人=「疲弊していく人」20〜25%
成功する人というのは、与えるマインドを持った人なのだそうです。
なぜかというと、成功するには、人に動いてもらうことが不可欠であり、チームワークを重んじなければならない。そのためには、「与えるマインド」が不可欠だからです。
上記のように、「与える人」には二種類あります。
自分があって「与える人」と、自分がなくて「与える人」の二種類です。
下の20〜25%の「セルフレス(無私)の与える人」は、奪われるだけで疲弊してしまうのだそうです。
神田さん曰く、「本当に成功する人は、無私じゃない。自分を持っている人」だそうです。会社だったら、理念などのコアを共有している会社。
グリーンコアも、述語的な施し(自分の都合はいったんわきにおいて、相手の都合を優先させたり、相手の問題解決をしてさしあげる行為)をし続けていますが、それが結果的に「心と心でつながる非分離の関係になる」ことがわかっているからしているのです(打算的な行為とはちょっと違います)。それを業務命令ではなく無意識に楽しみながら自発的にやるまでに昇華させている。そうやって顧客が徐々に増え、ひいては大手チェーンに負けないホテルマネジメントにつながっているのです。