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【13.03.05】ホテルマネジメント雑学ノート(Vol.56)
利用をやめたお客さまの8割は「満足している」お客さま
『週刊ダイヤモンド』2月16日号の特集「売れる仕組み 集客の秘密」より
最近のマイブームの一つに、「NPS」があります。ネット・プロモーター・スコアの略です。『週刊ダイヤモンド』2月16日号の特集「売れる仕組み 集客の秘密」で紹介されていて関心を持ち、早速関連書を手にとってみました。『ロイヤルティリーダーに学ぶ ソーシャルメディア戦略』http://amzn.to/13oQWYDという書です。
NPS(ネット・プロモーター・スコア)とはなにか。ご存知ない方のために説明します。
お客さまアンケートで、次のような質問をします。
「●●を友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか?」
選択肢は「非常に可能性が高い」から、「非常に可能性が低い」まで11段階。そして「10、9」と答えた人の数から、「6〜0」と答えた人の数を引いた数値で判断するのだそうです。
つまり、満足度ではなく「推奨するかどうか」を聞くのです。
なぜか?
こんな調査結果があります。
離脱した(利用をやめた)お客さまの8割が、満足度調査では「満足している」と答えているそうです。
上記の書の著者である高見俊介氏は、こう述べています。
「満足度と継続購入という行動の間には、大きなハードルが存在する。継続導入は満足度をベースにしつつも、その次のレベルに位置する。ましては、知人や友人に推奨するという行動をとるためには、より強い思い入れがなくてはならない。ロイヤルティを購買行動のみではなくて推奨行動も含めてとらえる必要性はここにある」
『ロイヤルティリーダーに学ぶ ソーシャルメディア戦略』は、見込み客獲得のマーケティング(アクイジジョン)ではなくて、既存顧客を対象とした戦略(リテンション)にフォーカスしている書です。なぜ、既存顧客をロイヤルカスタマーにする必要があるのか。
その理由は二つ。@企業収益において、既存顧客を維持することの重要性が高まっていること、Aマスメディアよりもソーシャルメディアのほうが威力を増している今、既存顧客による口コミが、新規顧客の獲得に与える影響度合いが増しているからだそうです。
高見氏は、推奨行動をしてくれるロイヤルカスタマーにどうなっていただき、どう維持していくか(言葉悪いですね、どう「生涯顧客」としてお付き合いを続けていただくか)の戦略の重要性を本書で紹介してくれています。なぜなら、顧客ロイヤルティ(=NPSでハイスコア)と企業の業績には密接な関係があることが分かっているからです。
本書の面白さに感激し、すぐに高見氏に連絡したところ、さっそくお会いしていただけることになりました。
宿屋塾でご講演をしていただき、このノウハウをご紹介いただければと思っています。