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【12.02.07】ホテルマネジメント雑学ノート(Vol.29)
脱・オンリーサービス志向
昨日、オータパブリケイションズ主催の「ホテル・ブライダル業界合同会社説明会」が開催されました。2000人を超える学生、約40社の企業が集結しました。
このイベントの夜には、ホテルの人事担当者との懇親会とホテル志望学生との飲み会があり、私は両方に参加しました。
多くの若者がホテル業界を志望してくれることは喜ばしいことですが、相変わらず下記のような傾向があります。
●志望ホテルの経営会社がどこだか知らない
●運営受委託契約を知らない
●「お客さまを喜ばせたい」という志望動機だけで、ホテルがどんな価値創造を
行なって、利益を得ているかというところに関心がない
ようするに、ホテルの表層部分しか見えていないのです。サービスの部分しか見えていないのです。単純に、お客さんとしてホテルを使う立場であればなんら問題はありませんが、自分が就職して働くホテル企業のことやビジネスの仕組み、キャリアパスの事例などを理解しないで就職することはとても危険です。
そんな学生に、私はこう伝えるようにしています。
「大手ホテルに就職しても、サービスだけをやっているのだったら給料は上がらない。30歳で手取り20万円くらい。結婚して子供が生まれ、所帯を君一人で背負っていかなければならなくなったとき、到底やっていけないよ」
だから、「マネジメントを勉強し、健全なホテルマネジメントができるマネジャーになって、きちんと利益を残して企業経営に貢献していくべきだし、マネジャーになれば給与も上がる」ということを説明します。
昨日、某外資系ホテルの人事担当者から聞いた一例ですが、チームリーダーの月給は19万円、アシマネで28万円、マネジャーで35万円くらいだそうです。
男性が結婚する年齢である30歳前後で、19万〜35万円という開きがあるのです。マネジャーになれば給料が高くなり、サービスだけやっていたら安月給のまま。そして、この格差は日系ホテルより外資系ホテルの方が大きく、さらには、ますます開いていっているようです。
こんな話をホテル志望の学生の飲み会ですると、みなさん深刻な表情に変わります。それで、ホテル志望を取り止める学生も出てくるかもしれません。それでも、ホテル業界のことを深く理解しないで就職し、「こんなはずじゃなかった」といって数年で去っていくよりは、よほどいいと思っています。
ということで、本日、私は上記の思いを持って宿屋大学で講義します。
宿屋大学は11年間続け、600以上のセミナーを開講していますが、私自らが講義をするのは初めての試みです(大学や専門学校ではたくさんやっておりますが・・・)。
ホテル業界をきちんと理解して業界に入ってもらい、健全なホテルマネジメントの担い手になっていただけるように、私のできることはしっかりやっていきたいと思います。
★入門講座「ホテル業界理解講座(全3回) 〜 よくわかるホテルビジネス、ホテルの仕事」
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