- ホーム >
- お知らせ
【11.02.10】ホテルマネジメント雑学ノート(Vol.4)
先日、ホテル志望の就職活動生と新年会を行なった。
私の仕事は「ホテル業界人やホテル志望学生の応援」であると自任しているし、ホテル業界に入ってくれようとしている若者には無条件で愛情を感じてしまうので、精一杯応援するのが常である。その学生と同じ大学の先輩ホテルマンを紹介したり、企業情報を提供したりする。
ところが、今年は、全面的に支援することに疑問を感じるようになった。
なぜか。学生のスタンスが、はなはだ受け身なのである。こちらから手を差し伸べるのを待っているし、積極的に食いついてこようとしない。質問もなければ、自分から話しかけたりしない。「もっと自分から積極的に動いたり、発言したりしようよ!」とけしかけても、うんともすんとも反応がない。
とにかく、打っても打っても響かない。おとなしいし、空気を読むことばかりに意識を集中している。型破りな学生なんて、極めて少ない。
こんなスタンスの若者を応援することは、彼らの受け身姿勢を助長することにつながらないか、そう感じたのだ。
こんな話を、某大学の某教授に話したら、「SMAPの『世界に一つだけの花』がいけないんだと思いますよ」と教えてくれた。
どういうことかというと、「あくせく人と競争しなくても、自分らしい自分でいれば、それでいい」と解釈する学生が多く、頑張ることをしなくなるのだ。「ナンバーワンではなく、オンリーワンでいい」。これを自分たちの都合のいいように解釈している。よって、彼らがオンリーワンと考えている自分らしさも大したことないし、社会的価値もあまりないし、アウトプットもチープ。
私はこれまで学生には、「競争するのは他人じゃなくて、昨日の自分」と言ってきたが、これからは、この発言も人を選んで伝えることにしたいと思う。甘ったれたやつに使うと、そもそも自分で設置したハードルが低いから、高く跳べない。使うべきは、トップを目指して走っている人にだけ使うべきなのだろう。
日本の若者はなんでこんなにおっとりしてしまったのだろうか。この議論をすると「日本は豊かになりすぎたんですよ」という人がいる。それもなんとなく分かる。しかし、米国だって同じく豊かだ。にもかかわらずみな高みを目指すし、学生は必死に勉強するし、ベンチャーを起業する人も多い。質は違えど同じく豊かな国である。なのに日本の若者はおとなしく、「ささやかながら自分らしい幸せを享受できればいい」と考える。
この差はなにか。私の答えはこうだ。
「『一緒にがんばろうよ』と、やる気のない人にも手を差し伸べて救ってしまっている社会主義的な甘さがいけない」
元が農耕民族なので、周囲の人間たちと手を取り合っていく社会であるのは、成り行き上当然であり、そういう社会の仕組みがこれまでは機能していた。それがグローバル競争時代のいまはもう通用しなくなったのだ。新興国の勢いが増しているいま、やる気のない人にも「一緒に頑張ろう」と、手を差しのべて引っ張り上げるという非効率な社会の仕組みのままならすぐに負けてしまうだろう。いま日本が世界の変化に置いて行かれつつあるのは、この横並び意識が原因の一つだと感じている。
よって、今年から、私は心に決めた。
情熱を感じる人は精一杯支援するが、やる気のない人は放っておこう。
ナンバーワンを目指す気構えのある人だけが生き残る。この厳しさが今の日本には必要なのだと思う。
Content-Disposition: form-data; name="weight1"
2
-----------------------------7db1ed34704a8
Content-Disposition: form-data; name="weight1"
ARRAY(0x816f650)
今年も2月14日に開催されるオータパブリケイションズ主催「ホテル業界合同会社説明会」(ホテルニューオータニ「鶴の間」)。毎年2000人前後の学生が集う