「こんな理不尽なクレームがあった」、「こんなわがままなゲストがいた」・・・
最近、ホテルの現場からは、こんな声が頻繁に聞こえてきます。聞くと確かに人間不信になるようなエピソードがほとんどです。ホテルで働く人は、ほとんどが人が好きで、お客様に喜んでいただきたくて働いているのに、人が嫌いになり、お客さんに「早く帰ってほしい」という感情を抱いてしまうのは、ホテル業界人の応援団を自負する私(近藤)としては、見ていて本当につらいです。
「ホテルは神様扱いしてくれるところ」
「ホテルはわがままを言えるところ」
「お金出している方が立場が上」
「ホテルなんだから、このくらいサービスしてくれるのは当たり前」
こんなのは、勘違いです。サービス提供者と受益者(お客)は、サービスという価値と金銭という価値の等価交換をしている対等な関係です(支払金額よりも提供価値が低い場合は、クレームやコンプレインは貰ってしかるべきですが)。
勘違いしているホテル利用者は、これに気付いてほしい。ホテルパーソンだって人間です。こういう態度のお客さんに、いいサービスを提供したいとは思わない。逆に、ちゃんと対等な人間として接してくれるいいお客さんには最高のおもてなしをしたいと思うものです。よって、上記の勘違いをして横柄な態度のお客は、大損しているのです。さらには、ホテルパーソンたちの「良心(ホスピタリティ)」と「働く意欲」と「楽しさ」を奪っている。日本のホテルをつまらなくしているのは、勘違いしているお客という側面も否定できないのです。もちろん、サービスサイドの至らなさや課題もあるとは思います。しかし、日本のサービス産業の向上、観光産業の発展には、お客さんも変わってもらわないと片手落ちだと痛感しています。
そんな訴えをFacebookに投稿したところ、鶴巻温泉「陣屋」の宮崎知子女将から、「近藤さんとぜひ繋ぎたい方がいます」と連絡をもらいました。それが、一般社団法人ツーリストシップの田中千恵子代表理事です。「ツーリストシップ」とは、スポーツマンシップの観光版観光地で、旅行者(ツーリスト)が意識したい心構え・振る舞いのこと。旅行者だけではなく、住む人も働く人、観光地に集う全ての人が、お互いに思い遣りをもって接する、人・モノ・自然・文化・歴史など、その地に存在する全てのことを大切にする精神です。田中氏は、その普及活動に尽力されています。
今回の宿屋塾は、『お客様は神様です』の勘違いを日本社会から撲滅したい、サービス業の現場や観光業の現場で、すべての人がお互いに思い遣りをもって接するようになってほしいという思いでの開催です。この精神の普及に賛同いただける方、ぜひ、貴方の90分間を割いて、田中さんのメッセージに耳を傾けて欲しいと思います。
【こんな内容です】
●ツーリストシップとは
●活動のきっかけ
●ツーリストシップ普及のための活動紹介
●良きお客と良き施設の関係性づくり
【こんな人にお勧めです】
●ホテル・旅館関係者
●旅行関連の事業者
●旅好きの人
●「お客様は神様です」の価値観に疑問を感じる人どなたでも
【田中千恵子(たなかちえこ)氏のプロフィール】
京都大学在学中に一般社団法人ツーリストシップ(旧CHIE-NO-WA)設立。卒業後、ダイドードリンコ株式会社とプロ契約締結。京都観光サポーター(旧観光大使)。同志社大学嘱託教師
●一般社団法人ツーリストシップのプロフィール
世界で初めてツーリストシップを提唱する非営利団体。京都を拠点に活動。日本や国連など様々な先進事例集に掲載される。理事に、観光庁元長官や、大手旅行代理店元役員、有名大学教授が並ぶ。 https://touristship.jp/
【日時】 | 2023年5月25日(木)18:00~19:30 |
【定員】 | 300人 |
【料金】 | 無料 |
【会場】 | オンライン ※申し込みいただいた方に、前日までにZOOMのURLをお伝えします。 |