13期 PHM受講者インタビュー

第13期「プロフェッショナルホテルマネジャー養成講座」

大阪リバーサイドホテル 支配人
朴 正浩さま

13期「プロフェッショナルホテルマネジャー養成講座」(以降、PHM) が2024年11月30日に修了しました。

13期生は、過去最も情熱と努力を絶やさずに最後まで走り切ったクラスのひとつでした。5~6人の先頭集団が爆走し、それに皆が必死に食らいついて走るという形で、結果的に皆が大きな成長という果実を実らせました。

そんな先頭集団を牽引した一人が大阪リバーサイドホテルの朴 正浩(パク)支配人。事前課題や振り返りの質も抜群、毎週火曜日には夜20時から90分間の有志によるオンライン勉強会を主催し見事なファシリテーションでクラスの学びを促進させました。結果、満場一致でMVP賞を受賞された朴さんをインタビューしました。

●取材・文/近藤寛和

モチベーションに
灯がついた瞬間

小学校の教員や居酒屋店長、求人広告社営業など、様々な仕事をされてきた朴さんは、転職した人材派遣会社の社長の指示で、6年ほど前、その会社が新たに始めたホテルの支配人を任されました。

コロナ禍やアフターコロナの激動の時期に仲間が次々にホテルを離れていくのを見ながら、朴さん自身も何もできず、自らもそろそろ違う仕事をしようかと考えていたとき、上司から「こんな講座があるけれど、参加してみないか? 刺激になると思う」とPHM講座の受講を促された。

当時、ホテルの仕事に対する情熱もモチベーションもゼロに近かったのに受講を決めたという。なぜだったのだろうか。まずは、そこから伺いました。

■ホテルの仕事に対する情熱もモチベーションもゼロに近かったのに受講を決めたのはなぜですか。

私は小学校の先生になるときからずっと、「人の人生に良い影響を与える仕事がしたい」という思いを持っています。それなのに、みんな嫌な思いをして辞めていく。仕事量は増えるのに給料は上がらないという理由がほとんどでしたが、辞めては入れ辞めては入れを続けるだけで、このホテルの未来が見えなかったんです。

上司からPHM講座の受講を勧められたのは、そんなタイミングでした。果たして自分が参加してよいものかどうか逡巡していましたが、正直に申しますと「とりあえず参加してみて時間の無駄だと感じたらすぐに止めてやろう」というスタンスで受講をしてみました。ただし、中途半端な気持ちで臨んだたら、どんなにいい講座でも学ぶことはできないと思ったので「全力で臨もう」とだけは決めていました。

■朴さんは8ヶ月間、PHMの学びを心から楽しんでいらっしゃいました。最初の「一生懸命やらねば」というスタンスが、「一生懸命やりたい」に変わって、学びに夢中になられたのは、いつのどんなことがきっかけだったのでしょうか。

DAY1の講義からです。「こんな面白いところがあるのか!」と衝撃を受けました。全部面白かったです。フィッシュボウルのディスカッションも、「総支配人としての在り方」も「ロジカルシンキング」も・・・。いままで私が知らなったことばかりでしたし経験したことのないことばかりでした。また、クラスのメンバーもすごい人ばかりで驚きました。ですので、初回が終わった時点で「せねば」の気持ちがいつの間にか消えていて、新しいことを学ぶことや考えることが楽しくて、とにかくワクワクしている自分に気付きました。人として大きくなれることも実感しました。

さらには、この学びはホテルマネジメントに限らずどこでも使えるものだと思いましたし、ヒト系(人材マネジメント系の講座)に入るにつれて「このモチベーションマネジメントのスキルを使えばスタッフはもっと生き生き働けるだろうな」、「こんなチームビルディングの手法を使えば組織はもっと良くなるな」という感覚があり、アイデアが湧き出るようになっていきました。ホテル事業の仕組みや契約スキームなどの話、「ホテルの価値はオペレーターの力量で変わってくる」ということなど、知れば知るほどホテルビジネスに興味がわいてきました。そして、次第にホテルの仕事も楽しくなっていきました。

「ホテル支配人としてやるべきことの解像度が上がった」

■PHMの学びのなかで具体的に生きていることは。

支配人としてどう在るべきか、支配人としてどう考え、どう判断すべきかなど、こうしたことを感覚的にやってしまうのではなく、しっかり考えるようになりましたし、その軸をPHMで得られたと思っています。

例えば、ひとつの数字を見ても、その数字が持つ意味を理解できるようになりました。また、視野が広がりました。これまでは「チームを良くするには」でしたが、いまは「会社を良くするには」に変わりました。目の前の景色がクリアになり、ホテル支配人としてやるべきことの解像度が上がった感覚です。それが自信になっているし、自分の言葉にも重みをもたせることができるようになりました。

PHMの学びを通して私自身、ホテルの仕事に夢中になれていますし、プライドを持って仕事をしています。スタッフも、みんな楽しそうに働いてくれています。

■それは、楽しそうに夢中で働いている朴さんの背中を見ているからでしょうか。

そうだと嬉しいですし、それは確かにあると思います。

先日、こんな嬉しいことがありました。夜、事務所で私がPCに向かってPHMの課題に取り組んでいるとき、なんの前触れもなく大学三年生男子のアルバイトスタッフがやってきて、「支配人、私、ここで働くようになって思ったことがあるんです」と話し始めたんです。何事かと思って私もPCから目を離して彼を向いて話を聴くことにしたんです。

「いま就職活動中です。仕事なんてどこでも同じようなものだから、決まったら決まったでそこで働けばいいや、と半ば投げやりな思いでやっていたんです。でも、支配人やここの社員さんを見ていると、みんな仕事の誇りを持って働いていらっしゃる。自分も仕事に誇りを持って働けるような仕事を選びたいと思うようになりました」

こんな話なんですが、嬉しかったのは、彼がそう感じてくれたのは私だけじゃなく、スタッフみんなが楽しそうに誇りを持って仕事をしていることに共感してくれたということです。主語が「ここのホテルの社員さん」だったんです。彼の人生に良い影響を与えられている、しかもホテルのチーム全体で良い影響を与えられたんです。私にとってこのエピソードは本当に嬉しいプレゼントになりました。

「ホテル業界の未来の希望が見えた 」

■PHMで得た収穫ベスト3を教えてください。

一番はモチベーション。消えかけたモチベーションに再び火を灯すことができたことです。

二番目は仲間です。13期のメンバーは全員私にとって生涯にわたって掛け替えのない存在になりました。誰一人置いていくことができないし、ずっとつながって切磋琢磨していきたいと思っています。 

三番目は、未来への希望です。「ホテル業界って、まだまだよくなる」と思えた8ヶ月間でした。自分自身がどう在りたいかとか、会社をどうすべきかといった枠組みだけではなく、もっと大きな視野で「この宿泊業界自体をもっともっと良くしていけるんじゃないか」と感じたことです。「この業界で働く多くの人たちが、PHMで学ぶような知識や思考のスキルを得ることができれば、もっともっと良くなるはずだ」と感じられたこと。未来への希望の光が見えてきたことが、私にとっての大きな収穫です。

■最後に、受講を迷っている方に一言お願いします。

必ず何かを変えるきっかけになると思います。自分のキャリアを押し上げるきっかけにもなるかもしれないし、会社を良くするきっかけにもなるかもしれない。

もっと言うと視座が上がることで人生において見えてくる景色がガラッと変わるかもしれません。私と同じように、「全部完璧にやり切ろう」なんて思わないで、「なにかのきっかけになるかもしれない。ここで何かを探そう」という感じで参加しても必ず収穫は得られるし、最後まで走り切れます。

なぜならば、PHMの受講は本当に楽しいし、学びが深いからです。 私はPHMにのめり込み、2024年の私の時間はすべてPHMで染まってしまいました。それが実に心地よいのです。短く感じたし過去最高に充実した時間になりました。その快感を、多くの人に味わってほしいですね。

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