第10期MVP賞受賞者インタビュー

第10回「プロフェッショナルホテルマネジャー養成講座」MVP賞


KPG HOTEL&RESORT
 Kafuu Resort Fuchaku CONDO・HOTEL
 人事部アシスタントマネージャー 根来葉子さん

PHM講座では、毎回、MVP賞などいくつかの賞を受講者に授与しています。MVP賞は、本気の受講姿勢(プロセス)、成長度、最終プレゼンテーション会での発表の質などで一人が選ばれる賞。今回この賞を受賞した根来葉子さんに、インタビューし、PHM講座の感想や自身の成果を語っていただきました。
●取材・文/近藤寛和 

自分が飛躍的に変化した、ストイックな8カ月間。
でも最後には『終わってほしくない!』と思えるプログラム

Q PHM講座の修了、本当にお疲れ様でした。そして、MVP賞受賞おめでとうございます。まずは、今のお気持ちをお聞かせください。

本当に、8か月間有難うございました。いまちょうど終わってから一カ月になりますが、とにかくPHMロスです。大変だけど楽しかった日々が終わってしまった喪失感を味わっています。久しぶりにどっぷりと学びについて考え続ける日々を抜けて、今は「どのようにアウトプットしていこうか」を考える日々となりました。

私は個人で参加したこともあり、職場に迷惑をかけないようにと考えながらの受講でしたが、社長はじめ、PHMで出会ったクラスの皆さん、講師の皆様、事務局の皆様など、たくさんの方が応援してくださったおかげで何とか走り切ることができました。課題などにもとても協力的にフィードバックくださり、感謝してもしきれません。また、自身の学んだことや課題への取り組みの結果だけでなく、それ全てを評価してくださったことでの受賞が何よりも私の誇りとなりました。皆様が居たからこそ、ここまで頑張れました。


Q PHM講座を受講したきっかけは。

実は、ずっと前からPHMには興味を持っていたんです。ただ現場の一スタッフだったことから、実質GM養成講座であるプログラムに尻込みをしていました。あれから10年経ち、自身がマネジメントに少しずつ触れられる立場となって、

・闘える生きた知識を学びたい
・自分の力がどこまで通用するのかを試したい
・そしてホテル業界で一緒に闘っている人たちとの輪を広げたい

この3点を強く感じ、参加を決意するに至りました。


こんなにも<業務>×<学び>が活きる機会はない

Q PHM講座受講と業務との両立、タイムマネジメントは、どのようにやりくりされましたか。根来さんは、有志による勉強会も毎回主催してくれました。大変だったと思います。

確かに大変でした。事前・事後課題、振り返り、予習・復習はかなりハードではありました。特に、最後の課題が積み重なった11~12月にかけてはかなり睡眠時間を削っていました。私は、合理的・効率的に勉強するのがとても下手なのですが、それを知っている分、自分の勉強ルールは知っていたので、以下のようにやっていました。

① 絶対に業務には支障をきたさず、全力でやること

これは参加する上での自身として絶対条件でした。企業派遣ではなく、個人で参加する以上、PHMのせいで〇〇が出来なかったというのだけは絶対にしたくない。なので、課題があろうがなんだろうが、業務最優先でした。また、課題の相談や、フィードバックをお願いしたい時は休憩時間や業務時間外に個人的に行なうこと。職場の皆さんはとても協力的だからこそ、そこは甘えずに業務とPHMの課題は切り離して行いました。ただ、グループワークや有志の勉強会にしっかりと参加するために、「いかに業務を行なうか」という部分で、「スピード感を持って仕事に当たれた」という、良い相乗効果が生まれたように思います。実際、業務との両立は正直苦ではなく、何より自分が学んだことをアウトプットしたり、不思議に思ったことをPHMのメンバーへ勉強会を通じて質問することで解消できたりと、「こんなにも<業務>×<学び>が活きる機会ってない」と感じていました。

② 振り返りは必ず日曜日24時までに提出する
「授業中は全力でメモを取り、それを見返して翌日の日曜日にひたすらスタバで振り返る」。これが私の鉄板ルーティンとなりました。振り返りだけは必ず翌日24時迄に出すべく、日曜日の午後は大きな予定がない限りはスタバにこもっていました。これを行なうことで、記憶の定着が良くなった気もしますし、その後の事後課題と事前課題に集中できる良いスタートが切れていたと思います。

③ 自分の学習方法のベストな形を見つける

私は要領が良くない人間で、特に学習時は一つ一つクリアしないと次に進めない性格であると知っていたので、まとまった時間を確保して課題は集中してやっていました。また、人目がないと怠ける性質なので、仕事終わりに23時までやっているスタバにいく。時間が無い時ほど自分の学び方や、やる気スイッチの入れ方を自分で知っておくことはすごく大切だと思います。仕事の仕方についてもそうだと思うのですが、常にイレギュラーが降ってくる業務の中で、どんなタイムスケジュールでも自分がやりやすい形を自分で見つけることができるというのは、このPHMの状況下で研ぎ澄まされていったのかなと感じます。

思考の習慣、考えるための知識やフレームワークを得られた



Q PHMを受講する前と後で、自分はどう変わりましたか。また、得たものはなんだったでしょうか。

知識量の変化や視点の変化、という意味では、とんでもない量をインプットした8カ月でした。日々の業務のなかで数値を意識して追うようになったり、他部署の知らなかった言葉が分かるようになったり、下された決断の裏にステークホルダーの皆様や管理職の皆さんのどのような意図があるのか、なんのためなのかといった問いを立てられるようになりました。今はまだ問いを立てる習慣ができただけで、「実際に正しい解を導き出して適切なアウトプットにどうつなげるか」はこれからですが、こうした思考の習慣、考えるための基盤の知識やフレームワークを得られたことは、とんでもなく大きな収穫です。

そして、内面的な変化、得たものはもう言葉に表せないほど大きなもの2点でした。

① 自身の意見を言葉に出す勇気

これはロジカルシンキング、ロジカルコミュニケーション、そしてオーガニゼーションシアターの授業から痛感した事です。元々自分の言葉を率直に伝えることが不得手でした。しかし、ある授業で、伝えたいことをしっかりと伝えられない局面に直面したんです。そのとき、「大切な誰かを助けられなかった」し、「想いが伝わらないってこんなに悔しいことなのか」を痛感しました。この経験から「なんのために伝えるのか」を考えることで、「自分の意見をきちんと伝えることの意味と大切さ」を学び、一歩踏み出すきっかけとなりました。

② 心からの自信が生まれたこと

よく代表の近藤さんにもご指摘いただいておりましたが、私は無駄に謙遜する癖がありました。それに、周りからの賛辞すらも素直に受け取れない自分がおりました。今回MVP賞をいただくことで、「こんなにも尊敬する、素敵な仲間たちから評価していただけるなんて、これ以上誇らしいことはない」と思うと同時に、「この期のMVPとして恥じないような自分で在りたい」と自然と思うことができました。


Q 今期は17回中12回がオンライン講座になりましたが、その点はいかがでしたか。

沖縄で生活をしている私にとっては、本当にありがたかったです。正直、オンラインでなければ仕事との両立や金銭面も踏まえ、受講はできなかったと思います。また、オンラインでも十分にコミュニケーションがとれるし、こんなにもクラスの方々と仲良くなれると実感しました。そして、初めて対面で会えたときの感動は大きかったですね。
また、クラスメイトや講師の方々をはじめ、本当に素晴らしい人たちと出会えことも生涯の宝物になりました。この先ホテル業界で働くうえで、何かあれば相談できますし、助け合える仲間だと思っています。

Q チームプロジェクトは、いかがでしたか。

チームプロジェクトは、実に素晴らしいメンバーに恵まれました。20代の若きマネジャーから支配人クラスの皆様と一緒に学ばせていただくなかで、自分の至らない点や足りない部分に気づかされました。私のチームは全員が地方にいたために、プレゼン当日まで顔を突き合わせてのミーティングやプレゼンの練習ができなかったのですが、約三か月に渡って週に1回、夜20時からZOOMでミーティングを重ね、発表月は回数を増やして夜中まで話し合いました。進捗管理や、プロセス等で頭を悩ませた部分もありましたが、困難はその程度で、遣り甲斐や得たものは計り知れないですね。チームのメンバーは、「これ分からないから教えて!」って叫べるし、一緒に考えてもらえる。「くだらないかな?」と思った意見でも、受け入れて吟味してくださる。出会ってたった数か月で、こんな関係が作れることが素晴らしいと感じました。だからこそ、この4名とプレゼンをして1位をとれたことはとても嬉しかったです。

それぞれの真剣な学ぶ姿勢に刺激を受けて全体で高めあった


最も嬉しかったのは、10期全体のモチベーションの高さでした。「10期は真面目過ぎる」と評されることが多かったのですが、<真面目>の根本は、いい意味での「負けず嫌い」だと勝手に思っています。お互いを切磋琢磨する関係性ができていたからこそ、質問をしあったり、ときに9期の先輩方にもご協力いただいて課題の勉強会を行なったりもしました。ただ馴れ合うだけでなく、それぞれの学ぶ姿勢やプレゼンに向けての姿勢に周りが刺激を受けて全体で高めあえる。みんなが業務の忙しいなかを縫って全力で課題にぶつかっている様子には、興奮と尊敬を感じずにはいられません。あの熱さは大切な思い出として一生忘れないと思います。

Q 最後に、受講を検討している人にアドバイスをお願いします。

悩んでいるなら口説き落としに行きます(笑)。検討しているのであれば、絶対に参加することをお勧めします。かけた時間や金額による費用対効果は計り知れません。こんなメッセージは、少々精神論に偏ってしまっていますので、改めてお伝えさせていただくと。

現時点でホテル業界に特化した「ヒト・モノ・カネ」をバランス良く学ぶことができる場所はとても限られていると思います。また、現場で働くなかでは閉鎖的になる所も多く、「ほかではどのような取り組みをしているのか?」「どのような流行りがあるのか?」を知ることも一苦労です。PHMはその全てを包括的に学ぶことができる、そして唯一無二の横のつながりができる場所として、ご自身の未来へ投資するにはまたとない場所・機会です。「ホスピタリティを学ぶだけでも、経営を学ぶだけでも、ホテルというものは完成しない」。とても面白くて、すごく高度なビジネスにおいて、ここまで知識を得られる場所はありません。これからマネジメントになる方にとっては新しい知識と目指すべき人々のいる場所となり、今管理職として働いている方にとっては日々の業務の答え合わせや、更なるインプット・アウトプットができる場となります。
そして、同時に、参加するからには全力で取り組める環境とご自身のメンタルをしっかりつくることをおすすめします。どんなに素晴らしい授業でも、それを受講するだけで成長できるということはないです。いかに学んで、いかに参加して、いかに仕事に生かすは、ご自身の腕にかかっているということです。素晴らしいコンテンツとメンバーが約束されていることが既にプライスレスですが、それに積極的に参加していくからこそ素晴らしいメンバーが掛け替えのない仲間になって、素晴らしい授業が申し分のない知識となる。業務との兼ね合いは決して楽なものではありませんが、私や10期のメンバー同様に、終わった後に「楽しかったー!!! 大変だったけど、終わってほしくない!」と叫んでいただけるような体験をしていただきたいと思います。

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