第11期MVP賞受賞者インタビュー

第11回「プロフェッショナルホテルマネジャー養成講座」MVP賞


住友不動産ヴィラフォンテーヌ(株)
ヴィラフォンテーヌグランド東京有明
マネージャー 荒木美幸さん 

PHM講座では、毎回、MVP賞などいくつかの賞を受講者に授与しています。MVP賞は、本気の受講姿勢(プロセス)、成長度、最終プレゼンテーション会での発表の質などで一人が選ばれる賞。今回この賞を受賞した荒木美幸さんに、インタビューし、PHM講座の感想や自身の成果を語っていただきました。

●取材・文/近藤寛和

受講料が倍の金額だったとしても安いと思います。

Q 受講の目的は、なんだったのでしょうか?

2つあります。ひとつは、知らなかったことを新しく知ったときの喜びを味わいたいということです。PHMの豪華な講師陣から様々な知識や情報を学んでみたいということです。もうひとつは、部下や後輩の役に立ちたいということ。自分の知識を増やし技術を高めることで、一緒に働いているだけのときよりもさらに役に立ちたいと思ったんです。ほかの受講生のみなさんと違うのは、総支配人という役職やポジションへの執着は正直、あまりないです。ただ、役職が上がれば部下や後輩の役に立てる部分は増えるので、そこはあるに越したことはないと思っています。

「何が問題か?」「検討すべき課題はなにか?」をまず考える癖

Q PHMを受講する前と、受講した後のいまで、ご自身はどのように変化・成長していると感じますか?

3つ感じています。マーケティングやユニフォーム会計、レベニューマネジメントといったホテルマネジメントの基礎知識を理解できたことはもちろんですが、それ以上に大きいと感じたことを3つ挙げたいと思います。

ひとつは、これまでの私の意思決定や言動は自分が主語だった気がします。それが、受講後は、部下や後輩、お客さまを主語にいて考えられるようになったことです。以前は単に自分の理屈で考えを伝えるだけでしたが、PHMのなかで「正義の反対は悪ではなく、相手の正義」という言葉をもらい、相手や上司の立場やお考えもしっかり考慮したうえでコミュニケーションするようになりました。

2つ目は、自分の意見が周囲と違う場合、それを言う勇気が持てなかったのですが、PHMで何十回もディスカッションするなかで、自分の意見を「私はこう考えます。なぜなら〇〇〇〇だと思うからです」と、はっきり伝えることができるようになりました。

もうひとつ感じているのは、ロジカルシンキングの癖が身に着いたことです。これは、上司からも指摘されたのですが、「以前は問題解決策が場当たり的でロジカルではなかったけれど、PHM受講後は、論理的に物事を考え、論理的に伝えられるようになった」ようです。答えを出す前に「何が問題なのか?」「どんな課題を検討すべきか?」をじっくり考えるようになったからです。PHMの冒頭のセッションで、「WHAT→WHERE→WHY→HOW」という問題解決のプロセスを教えていただき、この図が頭の中にインプットされたからだと思っています。部下に指示を出す際も、以前は「これをやってください」というだけの指示でしたが、いまでは「こういう問題があって、こんな改善すべきポイントがあるから、こういう打ち手をしなければいけないんです」という背景もロジカルに伝えているから、部下も納得感を持ちながら仕事を進めてくれていると思います。

つまり、ホテルマネジメントのノウハウやスキルだけではなく、根本からビジネスパーソンとしての仕事のやり方がガラッと変わったと感じています。


クラスメイトからも多くを学べた


Q 荒木さんは8カ月間、モチベーションがなえることなく、ずっと本気で臨まれていました。有志の勉強会も毎回主催してくれました。その向上心の源泉はなんだったのでしょうか?

つねに、自分はまだまだだって思っていました。講師や事務局のみなさんから、愛のあるダメ出しをもらっていましたし、部下や後輩へ貢献するにも、まだまだ実力が足りないと感じていたからだと思います。講師の柴田励司氏から「荒木さんは情でしか判断しない。理と情のバランスを持ちなさい」と言われた一言は、自分はまだまだだと痛感した一言でした。その都度、「もっと頑張らないと」と思って・・・。

また、クラスの皆さんも、忙しい中、真剣に受講されているのを見て、シンドイのは自分だけじゃない。同じ志を持つ仲間がこんなにいて、みんな頑張っているんだって思えたのも、モチベーションを継続できた理由の一つですね。

Q チームプロジェクト(受講生4~5人でチームをつくり、課題に臨むプロジェクト)はいかがでしたか?

チームのみなさんから学べたことは非常に大きかったです。DAY16で発表する際、前のチームの発表で駄目出しされていた部分(リノベーション工事費の算出の甘さ)が、私たちのチームの私が担当しているパートにも欠けていた部分だったために正直私は動揺してしまったのですが、その動揺を悟ったチームメイトが「荒木さん、ぶれなくて大丈夫だから」と言ってくれたんです。チームメンバーの心の中まで見抜いて励ましてくれる心遣いには感動しましたし、ホテルマネジャーとして必要なことだと痛感し、いまでは私も仕事で意識しています。ほかにも、普段は寡黙なのに必要に応じてズバッと本質を突くような発言をしてくる方などもいて、チームメイトからも多くを学びました。

これが、講師から聴く一方の講座でしたらこうはなっていないです。議論をしたり、クラスメイトの意見を聴いたり、自分で考えたり、それをアウトプット(発言やレポート提出)したりを繰り返すことで、成長できたと思います。さらには、クラスメイトが働くホテルを見学させてもらったことも大きいです。そこでの取り組みを参考にして弊ホテルでも採用した取り組みもありました。

荒木さんの振り返りやレポート。プリントしたら200枚以上に

Q 今年はコロナ禍で翻弄され、特に10月からは需要が急回復されて、大変な時期とPHMの学びが重なりましたが、タイムマネジメントは、どう工夫されていましたか?

正直に申し上げますと、何度もこのホテル(ヴィラフォンテーヌグランド有明東京)に泊まって課題をやっていました。課題図書を読むくらいでしたら通勤時間でもできましたが、振り返りのレポート提出やグループワークの担当課題などはデスクワークが必要でしたので、移動時間を節約するためにも5~6回はホテルに泊まって勉強しました。


学習量=業務でのアウトプットの量


Q 受講料を自己負担しても、「費用対効果は非常に大きい」と感じたのは?


私は約2年前まで関西の店舗に勤務をしておりました。関西にいた時から、自己成長させる場としてPHMに興味を持っていました。都内店舗に異動となり、「受講しやすい環境になる。今だ!」と思って申込みをしました。費用対効果で言うと、受講前は「このプログラムに、ホテル業界では有名な方々が講師陣というラインナップで1講座が約25,000円。お得だ!」という損得勘定をした面が大きかったです。受講を通して知識を増やす以外にも、マネジメントの技術、コミュニケーションの技術も訓練でき、費用対効果は非常に大きいです。いまでは、この倍の金額でも安いと感じています。


Q PHMの受講を検討している人にメッセージを。

PHMは、隔週の受講だけではなく「事前課題」「振り返り」「事後課題」があります。連日何かのレポートの準備や作成をすることとなり、業務も多忙のなかで、「さて、どうやったら睡眠時間を捻出できるかな」と、考える8カ月間でした。体力・気力との戦いは、なかなか壮絶でした。その分、アウトプットできるようになることと思います。ほかの受講生のみなさんと比べるといまだに未熟者の私ではありますが、8カ月間の講義の中盤から、私個人としては「学習量=業務でのアウトプットの量」となっていったように思います。PHM同期のみなさんと過ごした時間は、大変有意義で楽しかったです。自分のためでも、何のためであっても、今の能力を伸ばしたい方にはPHMが本当にお勧めです。

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