第7期MVP賞受賞者インタビュー

第七回「プロフェッショナルホテルマネジャー養成講座」のMVP賞、㈱パレスホテルの佐々木潤氏が受賞

2018年4月21日~11月24日の間に開催された宿屋大学主催、第七回「プロフェッショナルホテルマネジャー養成講座」(以下、PHM講座)のMVP賞に、株式会社パレスホテルの佐々木潤氏が選ばれた。本賞は、同講座の最終プレゼンテーション会において、「講義内容をフル活用して、経営者に向けた経営改善計画」を受講生全員が発表し、そのプレゼンテーションの内容、受講態度、成長度、クラスメイトからの評価などを審査員が点数化し、その合計得点で決められる。この度、最高得点を獲得し、MVP賞を受賞した佐々木潤氏をインタビューした。

安心して失敗できる場所

Q PHM講座の修了、本当にお疲れ様でした。そして、MVP賞受賞おめでとうございます。まずは、今のお気持ちをお聞かせください。

私が受講の目的として設定したテーマは、「持続的成長が可能な仕組みを組織に定着させることの出来る人材を目指す」でしたが、全課程を終えたいま、その目的までの「正確な距離(遠さ)」を知ったことで、自分でマイルストーンを設定できるようになったことが収穫のひとつです。予備学習 → 事前課題 → 6時間の授業 → 振り返りレポート → 事後課題 の繰り返しで、このサイクルは正直に申し上げてハードでしたが、共に学ぶ仲間がいて、切磋琢磨するなかで、「いい加減なアウトプットはできない」というプレッシャーがあり、それがどんなに疲れていても机に向かわせてくれる原動力になりました。プレッシャーを与えてくれる仲間がいたことが、そして、生涯つながる同志を得たことが私にとって一番嬉しかったことです。見てくれている仲間がいるということは、安心であり、優しさであり、ときにそれは厳しさでした。だからこそ集まって話す話は楽しいし、共に交わすお酒が美味い。2週間に一度集まる白熱講義と飲み会が終わってしまい、一抹の寂しさがありますが、とっても楽しい7カ月間でした。



Q 佐々木さんは、自費での受講でしたが、PHM講座を受講しようと考えたきっかけは?

私は2003年に新卒でホテルに入社し、現在38歳です。当時のホテル業界と今とでは環境が大きく変わっています。当時のホテルは所有者と運営者が同じ直営ホテルばかりでしたが、いまは不動産所有者と経営者と運営者が分かれているホテルが大半になっています。そして、いろんな人が多角的に集ってホテルという事業を支えています。その一部分のセクションからの視点だけでは全体を理解できないですし、全体を理解するためにはほかのセクションの役割や考え方を知る必要があると思ったのです。ホテル運営責任者は、投資家やオーナーのことを知る必要がありますし、私のようなマーケティング担当者は現場スタッフのことを知る必要があります。直営ホテルならば、皆が同じ立場で同じ方向性を向いて仕事をしていればよかったのですが、いろんな立場でホテル事業を支える人がいて成り立っている昨今のホテルの場合、そういった様々な役割をしっかり理解しておかなければいけないと感じたのが受講のきっかけです。

Q 仕事とPHM講座の両立は大変だったと思いますが、その辺はどのようにやりくりしましたか。

実際、本当に大変でしたが、どのようにタイムマネジメントしたら両方をしっかり遂行できるかというのも自分に課せられた課題、試練だと受け止めていました。具体的には、毎日出勤前に一時間半、退勤後2~3時間時間を作ってカフェなどで資料や課題図書を読みました。また、週末は課題のレポートやプレゼンテーションの資料作成に充てました。課題図書だけでは基礎知識が不足するテーマに関しては、ほかにもビジネス書を買って勉強しました。私の場合は、会社からの派遣ではなく、自分の意志での受講でしたが、それでも上司や同僚のサポートがなければここまで全力投球できなかったと思っています。また、最終プレゼンテーション会には、直属の上司だけではなく、総支配人まで応援に来てくださり、感激しました。会社には心から感謝しています。



Q PHMを通し、ホテリエとして、ビジネスパーソンとして、どういった部分を補えたと思いますか。

リーダーシップ、ファイナンス、アセットマネジメントといった分野は、私にとっては新鮮で貴重な学びでした。一緒に学んだクラスメイトから得たことも大きいです。いろんなタイプのホテルの責任者、いろんな立場の人が集っていましたので、多様な考え方や、自社だけでは得られないアドバイスなども、大変貴重でした。また、懇親会などではお酒を飲みながら腹を割って話をし、「悩んでいるのは自分だけじゃない」という安心感も得られました。
社会人になると、失敗が許される場所というのは、それほどありません。ですが、ビジネススクールでは、失敗が許されます。どういうことかと言うと、事前課題のレポートの視点がまったくずれていたり、講師の先生が意図しているものと自分の発言が食い違っていたり、ケーススタディの問題解決の答えが間違っていたり・・・、リアルのビジネスだったら大きな傷跡になってしまいそうな失敗も安心してできるのがビジネススクールの大きな魅力であり、私がPHM講座を受講して本当に良かったと感じるポイントです。ですので、毎回、たくさん恥をかくつもりで受講していました。
また、知識を得るだけではなく、物事の考える視座なり視点なりも大きく変わったと思います。物事を大局的、そして対極的に考えられるようになったと思います。また、物事がどう展開されていくか、先を見据えて判断、アクションする癖がつきました。さらには、ロジカルシンキングの習慣も体得できたと思います。先生からは、What・Where・Why・Howというフレームワークを教わりましたが、この8カ月間、私の頭の中にはこのフレームワークがしっかり入り、この順番で物事を考えるようになれたと思っています。これも、本当に大きなことです。

最後に、受講を検討している人にアドバイスをお願いします。

ある程度覚悟をもって参加されると良いと思います。毎回、予習があり、議論や発表を繰り返す講義があり、事後課題があります。私は、16回の講義すべてにおいて本気で臨んだので、毎回達成感を得ていました。講義後の懇親会も全て出席したのですが、そうした達成感を味わいながらのお酒は本当に美味しかったですね。例えて言うなら、16の険しい山を登っては下りを繰り返し、その度に体幹や筋力が増強されていくような、まさに脳の加圧トレーニングだったと感じています。


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