【宿屋塾】
「いま問われる、日本人の接客力~お客様から選ばれるホテルに必要なリーダーの人間力とは」
講師: 高野登氏
昨今、ホテルに限らず、我が国の接客レベルの低下を多くの人が憂いています。
●部屋の用意ができているにもかかわらずアーリーチェックインをさせてもらえなかった。
●人手不足は分かるが、あまりにオーダーを取りに来るまでの時間がかかりすぎる。
●まったく笑顔も感情もない、慇懃無礼でマニュアル通りのセリフの接客だった。
などなど、話を、非常に多く聞くようになりました。
こんな残念な思いをお客さまが受けてしまう原因の多くは、接客への思いや、仕事への矜持(プライド)が感じられず、お客さんを“さばく作業”として接客になってしまっていることが多いようです。
どこが、「おもてなしの国ニッポン」なのでしょうか?
中国出身の知日派ジャーナリストである莫邦富氏は、週刊「トラベルジャーナル」5月21日号の特集「おもてなしはどこへ ~後退する日本の接客サービス力」のなかで、次のように語っています。
「日本で残念なサービスに出会うことが多くなった。日本がサービスとおもてなしの良さを失くしてしまえば、日本旅行の魅力は大きく色褪せる」
訪日外国人のお客さまが日本で不快な接客に出会い、残念な思い出を持ち帰ると、当然、その方は日本を再度旅行したいと思わないでしょうし、「日本のおもてなしは、嘘だった」などといったネガティブな口コミをSNSなどで発信するでしょう。
そうした積み重ねで日本人気は衰えていき、引いてはインバウンド数も減るでしょう。
ここは一つ、目先の利益追求ばかりではなく、「接客力」について、じっくり考えるべき時期なのではないでしょうか?
「トラベルジャーナル」の同号で、高野登氏は、「サービスに従事している人たちが、基本的な日本人としての心をあまり意識していないのではないか。現場スタッフをマネジメントするリーダー的な立場の人ですら、こうしたことを語らなくなった」と危惧しています。
現場スタッフの可能性を引き出し、育てていこうとするリーダーの使命感の弱さ、スタッフたちに寄り添い勇気づける覚悟が感じられないとも・・・。
チームの力でお客さまに喜んでいただき、感謝される喜び。
仕事を通じて自己成長を実感できる喜び。
こんな給与明細には表れない目に見えない報酬が、この仕事にはたくさんある。
高野氏はこう語りますが、それをスタッフに実感させられる現場リーダーがどれだけいるか・・・。
ホテルの現場から聞こえてくるのは、現場スタッフより私利私欲を優先するマネジャーの行動、古臭い自分の価値基準を押し付けて、結果スタッフが疲弊している指導力のないマネジャーの行動です。
日大の問題は、対岸の火事ではないのです。
おもてなしをしたいスタッフに、「トラブルが起こったら、ゲストファースト(自分たちの都合やルールはわきに置いて、とりあえずゲストの気持ちに寄り添って)で対応しなさい」と言えるマネジャーがどれだけいるか・・・。
そんなリーダーが少なくなったのが、サービス力の低下を招いているのではないでしょうか?
(利益至上主義経営をとる経営者や投資家によるところも多いとは思いますが)
全国のホテル・旅館で課題になっている人材難の問題も、本質的には、労働人口減少が原因ではなく、ホテルの管理職の劣化のほうが大きな原因なのではないでしょうか?
今回の宿屋塾は、久しぶりに高野登氏にご登壇いただき、「さすがは、おもてなしの国ニッポン」と再び評価される未来に向けて、接客力とはなにかを再確認したいと思います。
心に沁みる高野節、ご一緒しませんか?
【こんな内容です】
●働く時間は「人生のど真ん中タイム」
●組織も人も動かすものではなく、主体性をもって動くもの。
●人を育てるのではなく、人との関係を育てる
●リーダーがすべきことは、スタッフを勇気づけること。
●リーダーが絶対やってはいけないことは、スタッフをがっかりさせること。
●知識を学ぶ時代から、知恵を磨く時代へ
●自分自身と自分の人生は、自分で定義する
●必要なのは働き方改革ではなく、働き方をデザインする力
【こんな人におススメです!】
●日本人特有の接客の精神を理解し、仕事に取り入れたい人
●CSとESと利益の関係に興味がある人
●日本の接客力が低下していると感じている人
●接客業を仕事にしているが、迷いや悩みがあってもやもやしている人
●自身の接客技術やビジネスの技術を高めたい人
●「お客様のハート」をつかむ事例(エピソード)を聞いてみたい人
●高野登氏の温かい人間性に触れたい人どなたでも
※「ホテルや旅館の人間ではないのですが、参加してもいいのでしょうか?」というお問い合わせをよくいただきます。宿屋塾(宿屋大学)は、ホテル・旅館業界の向上を目指して活動しておりますが、この業界の人でないと参加できないということはございませんし、いろんな業種業界の方がたくさん参加されています。
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