【宿屋塾】
「ホテル・旅館のための発達障害入門講座~ダイバーシティ時代におけるホスピタリティ・ビジネスのあり方とは」
講師:(株)LITALICO 編集長 鈴木悠平氏
「障害は、その人の皮膚の内側にあるのではなく、社会の側がつくっているんです」先日、(株)LITALICO 編集長 鈴木さんから、このようなお話をお聞きしました。
いま、視力が低いからといって、「障害者」と呼ばれることはありません。
それは、メガネやコンタクトレンズという、人の能力を拡張する道具やテクノロジーが「当たり前」になったからです。「視力が低い」という人の側の状態は変わっていないのに、社会の側が変わることで、生活上の不便・障害がなくなったわけです。
他の事例ではどうでしょうか。肢体不自由があって車椅子に乗っていることは、今はまだ「障害」「障害者」というイメージと共に語られることが多いかもしれませんが、一昔前に比べると、エレベーターやスロープなどのバリアフリー環境はずいぶんと改善しました。
高性能でスタイリッシュな車椅子なども生まれており、今後もより生活上の「障害」は減っていくでしょう。
それでは目に見えない障害、「発達障害」についてはどうでしょうか。
今はまだ課題も多いですが、発達障害においても同様に、「障害のない社会」はつくれる、と鈴木さんは考えています。
注意や集中が難しかったり衝動性が強いADHD、物事の理解や刺激の受け取り方、人付き合いの困難が生じやすい自閉症スペクトラムなど、発達障害の種類はさまざまですが、いずれも、外からは目に見えにくい、先天的な脳機能の異常、感覚や認知の凸凹が原因なのです。逆にいうと、そうした発達障害のある人たちの感覚の凸凹をよく理解し、周囲のかかわり方や過ごす環境を工夫していくことで、発達障害のある人の困難はなくしていけると、鈴木さんは語ります。
発達障害の傾向のある子どもは、小中学校の通常学級のうち6.5%いると言われています。これは、30人学級なら1人か2人はいるという推計です。ホテル・旅館のお客さまの中にも、あるいは企業の中で働く部下や同僚の中にも、発達障害の特徴を持つ人がいることは、まったく珍しくはないのです。
「ダイバーシティ・マネジメント」の重要性が叫ばれ、障害者差別の解消や、マイノリティへの配慮が重要だと言われるなか、ホテル・旅館の運営者は、どのようなことに気をつけていけばよいのでしょうか。障害のある人や多様な人たちが共に活躍し、顧客により良いサービスを届けていくためのマネジメントには、いったい何が必要なのでしょうか。
今回は、鈴木さんより、ダイバーシティ時代におけるホスピタリティ・ビジネスのあり方、発達障害がある人に対するサービス提供や、障害のある社員のマネジメントについて、お話をいただきます。
【こんな内容です】
●「障害」ってそもそもなんだろう?
●誰にでもある特性の凸凹、ちがいを踏まえてどうコミュニケーションする?
●発達障害ってそもそも何?どんな特徴や困りごとがあるの?
●発達障害のある人が、ホテル・旅館利用や旅行時に困ること、必要な配慮
●発達障害のある社員を含め、多様性を活かして活躍できるマネジメントのあり方
【こんな人におススメです!】
●障害者雇用の推進や、ダイバーシティ・マネジメントに課題意識のある方
●ホスピタリティ・ビジネスにおける、障害のある人をはじめとするマイノリティ対応の考え方を学びたい方
●「発達障害」について、より詳しく理解したい方
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