宿屋塾
「ホテルのCRM実践講座~お客さまとのご縁を大切にしてハッピーをシェアする関係づくり」
講師:C&RM株式会社 代表取締役社長 小林 武嗣 氏
CRM(Customer Relationship Management)とは、「お客様とのご縁を大切にする」という極めて当たり前の概念です。
しかし、「どうしたらお客様とのご縁を大切にできるのか?」となると、ホテル業界では個人の能力に依存してしまっていて、ホテル企業として「こういうことをやっていこう!」という全体の指針がないのが実情ではないでしょうか。
「CRMは、応報性を無視すると失敗します」
小林さんはこう言います。
応報性とは、要は「両想い」のことのようです。企業は、顧客に対して「あなたのために、うちはこんな価値提供ができます」という訴求をして長くお付き合いしてほしいと思っています。そのために顧客を知ろうとし、知ったことのデータとシステムを駆使して上記を実践します(例えば、アマゾンは、サイトを訪れると、瞬間的に書棚がその人のために並び変えられます)。これがCRMです。
けれども、CRMを実践した米国企業の7割は失敗したそうです。なぜか?それはやり方が片手落ちだったからです。つまり、自分の魅力を顧客に伝えるだけで「自分もあなたのことを好きです」と、言わなかったのです。
「俺って、かっこいいだろ。きみ好みだろ。素直に好きって言えよ(購入しろよ)」と言っているようなものです。これでは、クールすぎます。
CRMとは、Relationship(関係づくり)ですから、「好き」って言わせるだけでは、やっぱりいい関係にはなりにくいということなのだと思います。
そこには、やっぱり、思いやりとか愛情が不可欠です。
お客さまにファンになってもらいたければ、まずはお客さまのファンにならないといけないのです。提供サイドと受け手であるお客さまは、「価値を分かち合うパートナー」なのですし・・・。
応報性、CRMとは、つまり「ホスピタリティ」そのものです。
前述のように、日本のホテル業界においては、個人が個人の裁量の範囲でCRMをやることは得意ですし、実践しているのでしょうが、これを組織のナレッジとして実践するには至っていないでしょう。
残念ながら、組織としてCRMを成功させることは容易ではありません。
一部門だけの努力や、コストを掛けただけのシステムで成功することはありえません。トップの理解と全社一丸となった取り組みが必要なのです。
つまり汗を流さなければ達成できません。CRMは一見非合理的な活動です。
しかし、CRMを成功させた企業は例外なく高い顧客満足度と高収益を両立させています。難しいからこそ、成功した時に得られる果実は大きいのです。
CRMに成功すれば、従業員は誇りを持って働くことができます。
CRMに成功すれば、ホテルにふさわしいファンでいっぱいになります。
CRMに成功すれば、企業収益は驚異的に上昇し、長期成長軌道に乗ります。
CRMに成功すれば、損をする人はいなくなります。
CRMは敗者のいない概念なのです。
価格戦争に陥っているホテルの方、競争戦略を考えあぐねている方、これこそ究極の競争戦略かもしれません。
ぜひ、ご参加ください!
【こんなことをお伝えします】
1 CRMの基本的な概念
CRMはどうして必要なのか?
CRMを成功すると、どのようになるのか?
CRMにおける利益のシェアとは?
CRMが成功するための条件とは何か?
2 CRM実現への五つのステップ(概要)
ステップ1 全社的な理解とCRM実現への組織作り
ステップ2 応報性・リレーションシップの設計
ステップ3 顧客情報の集約と配賦
ステップ4 CRMに関するKPIの評価
ステップ5 分析からのアクション・プラン
3 レベニューマネジメントとCRMの融合
長期収益の最大化を目指すCRMは、レベニューマネジメントの概念と組み合わせることで、効果を最大限に発揮します。
【こんな人におススメです!】
●マーケティング担当者
●マネジメントに携わっている人
●末長くお客さまとお付き合いしてビジネスを続けていきたいと考えている人すべて
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