128回 宿屋塾
「革新のセオリー
~9hは、なぜ成功したのか」
講師:油井啓祐氏
9h(ナインアワーズ)を、みなさんはご存じですか?
ホテル業界でも話題になりましたので、昨年京都に誕生した新型デザイナーズ・カプセルホテルと認識されている人も多いかと思います。
そもそもは英国のライフスタイル誌『MONOCLE』で紹介されたのがきっかけで、その後90近い海外メディアで紹介され日本のマスコミでも後を追うように取材をし始めました。
遅ればせながら私もホテレスの記者として先日、ナインアワーズの油井社長をインタビューしました。
その取材は、正直驚きでした。長年記者として優れた人物、たくさんの経営者を取材していますが、油井氏から得た気づきの多さは卓越したものがありました。その類まれなるビジネスセンス、本質を捉え軸をブラさない深い考えの中には、われわれが学び、応用できる、もしくは新しい展開のヒントになる要素がたくさん隠されていました。
例えば、
●潔く「デフォルトに戻す」という変革の基本
●考え抜いた「本当の豊かさ」の価値観
●「儲かればいい」という勘違い ~ビジネスの存在理由とは
●プロダクトを売るのではなく、ライフスタイルを売る
●接客で大切な「たった3つの教え」
●捨てることによって初めてフレームの外に飛び出せる
●デザインとホスピタリティは日本が世界に売れる大きな価値
ナインアワーズは、「新型デザイナーズ・カプセルホテル」ではありません。都会の中のインフラとしての「スリーピング・ハブ」です。“部屋”という概念を捨てたとき、そこにはまったく違う宿泊スタイルが生まれ、まったく違うマーケットが生まれたのです。
世の中は急速に変わっています。今までのやり方が通用しなくなります。
そして、どこもかしこも生き残りをかけて小手先の変化ばかりを試みています。でも、そんな変化をしても根本は変わらない。もっと世の中を見据え、自身の存在理由を深掘りし、生まれ変わるイノベーションが必要です。
油井氏は、それを当然のごとく成し遂げた。本質、根っこの部分まで考え抜いた人の強みゆえです。お父様が残された事業を再生させたうえで、新しい価値(9h)を創造した。そこにはたくさんのドラマがあります。
128回 宿屋塾では、油井啓祐氏に、自身の軌跡とナインアワーズに込められたビジネスで大切なことを語っていただきます。
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