【アカデミック講座】
第九回「マネジメント契約はホテル産業に何をもたらしたか~オーナー・投資家とオペレーターの最良の関係とは」
講師:京都大学経営管理大学院観光経営科学
MBA特定研究員 西山 桂子氏
宿屋大学は、新しい講座プログラムのカテゴリーとして「アカデミック講座」を開設しました。
最新の観光・ホスピタリティ関連分野の研究や学術界の現状を紹介することと、観光・ホスピタリティ・ビジネスの研究者と本業界の実業に携わる方々のコミュニケーションの場づくりを目的としています。
産業界に役立つ研究をしている個性的な大学教授などを厳選して、開講していきます。
第九回は、京都大学経営管理大学院観光経営科学MBA特定研究員 西山 桂子氏です。
ホテル業界は現在、グローバリゼーションの波にさらされています。
このような競争環境において、マリオットやヒルトンといったグローバル展開を急速に進めるホテルオペレーターは、資産を持たない身軽な運営形態である、フランチャイズやホテルマネジメント契約を採用してきました。
とくに、ホテルマネジメント契約によってもたらされた不動産所有と事業運営の分離は世界における急速なホテル展開、ホテル開発に大いに貢献しました。
一方で、「ホテルは誰のものであるか」というガバナンス問題も浮き彫りになり、課題も多く残されています。
西山氏は、『グローバルオペレーターが変えるホテル経営: マネジメント契約はホテル産業に何をもたらしたか』を昨年上梓されました。本書は、ホテルビジネスにおけるオーナーとオペレーターの契約形態を深く考察した大変貴重な一冊です。オーナーとオペレーターは、二人三脚でホテルの経営と運営をしていかなければなりません。一方、現在の日本において関係性が良好とはいえないホテルも多く存在しているのではないでしょうか。お互いが自分の尺度だけで物事を判断し、自身の主張をするばかりで、相手の立場を理解しようとしない傾向があるからです。お互いの価値観を共有し、理解するからこそ、良好な関係を構築することができるのではないでしょうか。
本講座では、ホテルマネジメント契約をしっかり理解したうえで、金融・不動産サイドからのホテルビジネスだけなく、またホテル運営サイドだけのホテルビジネスでもない、総合的なホテルビジネスをご説明いただき、オーナー・投資家とオペレーターの最も良好な関係をつくっていくにはどうしたらよいかを考えたいと思います
。
【こんな内容です】
●世界のホテル産業―チェーン展開とグローバルオペレーター
●ホテルマネジメント契約の歴史
●ホテルアセットマネジメントとガバナンス問題
●ホテルマネジメント契約の特異性
●ホテルマネジメント契約がもたらした成果の検討
●グローバルオペレーターの競争力
【こんな人におススメです!】
●アカデミックな視点に触れたい方
●実務と研究を結び付けたい方
●観光・ホスピタリティ業界を目指す学生から、経営者まで
●観光学分野の研究者を目指す方
◆◇◆ アカデミック講座とは? ◆◇◆
最新の観光・ホスピタリティ関連分野の研究や学術界の現状を知りたい方に、各分野の研究領域を、コンパクトにまとめ、ご紹介することを目的とした内容です。短時間で理解する「観光・ホスピタリティ関連分野の研究」講座です。さらに、観光関連、ホスピタリティ・ビジネスの研究、本業界に携わる方々と、研究者の相互理解の場でもあります。講師は、観光・ホスピタリティ分野の研究者であり、その研究成果を体系的に語れる人です。ゆえに、講義は体系的であり、調査や統計データに基づいた知識と研究成果の提供を行ないます。さらに、「机上の空論」に終始することなく、物事の見方や捉え方、思考することの重要性をわかりやすくお伝えしていきます。
本講座は、株式会社 アプリ(本社:東京都新宿区新宿3-1-22 NSOビル4F
https://apptli.co.jp/)の賛同とご尽力により、開催するに至りました。 |
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