【アカデミック講座】
第四回 「観光心理学への招待~宿泊業と観光心理学の接点を探る」

講師:玉川大学観光学部 准教授
中村 哲(なかむら てつ)氏

宿屋大学は、新しい講座プログラムのカテゴリーとして「アカデミック講座」を開設しました。

最新の観光・ホスピタリティ関連分野の研究や学術界の現状を紹介することと、観光・ホスピタリティ・ビジネスの研究者と本業界の実業に携わる方々のコミュニケーションの場づくりを目的としています。産業界に役立つ研究をしている個性的な大学教授などを厳選して、月一回開講していきます。

第四回は、玉川大学観光学部 中村哲准教授です。

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心理学とは、一言でいえば、客観的な事実(=データ)に基づいて、人の心の一般的な仕組みや法則を研究する学問です。

そのなかで観光心理学とは、観光にかかわる人、主に旅行をする人(=観光者)を研究対象とする心理学のことをいいます。

具体的には観光者の旅行前から旅行中、旅行後に至るまでの一連のプロセスを詳細に調査・研究しております。

宿泊業においては、宿泊者との関わりは、出発前から、宿泊中、帰宅後に至るまで、断続的に発生しています。

その中で、宿泊者はどのような心理状態に置かれるのか、どのような行動をするのかを把握し、マーケティング活動やサービスの改善につなげていく必要があるのではないでしょうか。

今回の宿屋大学「アカデミック講座」では、まず、「観光心理学」ではどのような内容を扱っているかを紹介します。

その上で、「観光心理学」のテーマの中から、宿泊業と関連の深いと思われる3つの領域を選んで、簡潔にお伝えいたします。

本講座を通じて、宿泊業の現場と「観光心理学」の接点を探る機会にしてまいります。


【こんな内容です】

●観光心理学の全体像

旅行前から旅行中、旅行後に至るまでの、観光者の行動や心理に関する一般的な法則を導き出そうとする「観光心理学」が対象としている領域をご紹介します。

●選択肢の「決定方略」

インターネット上のOTAのサイト、紙媒体のパンフレットに、地域ごとに宿泊施設がまとめて、同じようなフォーマットで表示されることが多くあります。

消費者の選択の仕方としてどのようなパターンがあるのか紹介します。

●旅行の経験評価としての「口コミ」

最近、インターネット上にホテルや旅館に関する口コミが多くあふれています。

なぜ旅行者は口コミを書くのか、口コミを分析していくことで何がわかるのか、訪日外国人が英語で記述した口コミを例に考えます。

●「参照価格」の概念

消費者が価格を判断する際の基準となる価格のことを「参照価格」と言います。

宿泊業では料金が日々変動することが一般的です。

価格に対して消費者はどのように認識しているのか、宿泊業の料金の提示の仕方としてどのようにするのが望ましいのか考えます。



 

【こんな人におススメです!】

●最新の観光研究の現状を知りたい方
●アカデミックな視点に触れたい方
●実務と研究を結び付けたい方
●観光・ホスピタリティ業界を目指す学生から、経営者まで
●観光学分野の研究者を目指す方

 

◆◇◆ アカデミック講座とは? ◆◇◆

最新の観光・ホスピタリティ関連分野の研究や学術界の現状を知りたい方に、各分野の研究領域を、コンパクトにまとめ、ご紹介することを目的とした内容です。短時間で理解する「観光・ホスピタリティ関連分野の研究」講座です。さらに、観光関連、ホスピタリティ・ビジネスの研究、本業界に携わる方々と、研究者の相互理解の場でもあります。講師は、観光・ホスピタリティ分野の研究者であり、その研究成果を体系的に語れる人です。ゆえに、講義は体系的であり、調査や統計データに基づいた知識と研究成果の提供を行ないます。さらに、「机上の空論」に終始することなく、物事の見方や捉え方、思考することの重要性をわかりやすくお伝えしていきます。

本講座は、株式会社 アプリ(本社:東京都新宿区新宿3-1-22 NSOビル4F https://apptli.co.jp/)の賛同とご尽力により、開催するに至りました。




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【中村哲(なかむら てつ)氏プロフィール】

立教大学社会学部観光学科卒業.立教大学大学院観光学研究科博士課程後期課程単位取得。2002年4月より敬愛大学経済学部専任講師。2005年10月より助教授(2007年4月より准教授に職名変更)。2010年4月より玉川大学経営学部准教授。2013年4月より現職。

この間に、川村学園女子大学(人間文化学部)、琉球大学(法文学部,観光産業科学部)、立教大学(観光学部)で非常勤講師。研究領域は、観光行動論、観光心理学。現在は、「若者の海外旅行離れ」に着想を得てスタートした、旅行の阻害要因とその認知変化、旅行の意思決定に関する研究に国内の研究者と共同で科研費を得て取り組んでいる。

このほか、メディアが観光者の行動に与える影響についても関心がある。

大学では、「観光行動論」「サービス・マーケティング」「文化産業経営論」などの講義を担当。

ゼミでは「観光者行動とマーケティング」と題して、消費者行動とマーケティングの観点から、宿泊業、旅行業などを対象とした研究活動を展開している。

産学連携やゼミで指導した学生がコンテストで入賞した実績多数。


所属学会

日本観光研究学会

観光学術学会(編集委員)

日本観光ホスピタリティ教育学会(編集委員)

日本消費者行動研究学会

日本マーケティング学会


著書

『若者の海外旅行離れを読み解く:観光行動論からのアプローチ』(法律文化社,2014年,第4回観光学術学会著作賞受賞)(共著)

『観光教育への招待』(ミネルヴァ書房,2016年)(分担執筆)

『観光行動論』(原書房,2013年)(分担執筆)

『観光入門』(新曜社,2011年)(分担執筆)

『変貌する千葉経済』(白桃書房,2011年)(分担執筆)

『現代観光総論(第三版)』(学文社,2006年)(分担執筆)

 

【日時】

2017年3月6日(月)

19:00~21:00

【定員】

70人

【料金】

4,000円(税込)

【会場】 東京YMCA国際ホテル専門学校
東京都新宿区西早稲田2-18-12
TEL050-5306-2953
 
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