世界標準のホスピタリテイ産業経営大学モデルを日本で先駆ける気概を応援

【プロフィール】 日本興業銀行、外務省を経て、米国コーネル大学ホテル経営学部博士号取得。他にホテル経営、経営、地域科学の3修士号を米英の大学で取得。ローザンヌホテルスクールでも教鞭。早稲田大学国際教養学部及び商学部学術院(MBA)客員准教授。観光庁・観光統計に関する国際動向調査委員。米国観光ホスピタリテイ経営分野で正規教員職、テニュア(研究者終身身分保障)を持つ唯一の日本人。2008年より北米最大の観光ホスピタリテイ学部のNo.2として現職、学部経営(人事、財務、学事、総務、企画戦略)担当。 世界の観光ホスピタリテイ学部経営者としても唯一の日本人。米国フロリダ州オーランド在住。

原 忠之
セントラルフロリダ大学ローゼン・
ホスピタリテイ経営学部副学部長

「成功」の反対語は「失敗」だと思われる方が多いかもしれませんが、実は「何もしないこと」がそれぞれの反対語です。日本は明治維新のように戦略的大転換でアジアの勇となった歴史も、第二次大戦後、製造業を中心とした輸出産業育成し第二位の世界経済大国となった歴史もありますが、一方で失敗を恐れて何もせずに時代の流れに合わせた変化の決定的タイミングを失い、皆が相対的に地盤沈下してしまう罠に陥る傾向もあるように見えます。幕末の閉塞的な状況下に松下村塾がその後の「変化」に決定的役割を果たした人材を輩出したように、宿屋大学が、日本の観光ホホスピタリティ産業国際競争力強化のための「変化」に決定的役割を果たす人材を多く輩出していただきたく、その気概に、小生も海外から大いにエールを送ります。

少子化、高齢化、域内周辺国経済発展という21世紀において日本政府が新たな国際的輸出産業育成という観点で観光立国という極めて正しい国家戦略を打ち出したが、それを支えるべき日本の高等教育機関の多くは世界動向・世界学術研究を無視した各自の勝手な解釈による非科学的・定性的な「観光教育」に迷走している状況に見えます。

世界最高峰のコーネル、ローザンヌを見ても、観光産業育成・国際競争力強化には「ホスピタリティ産業経営学」を熟知した人材を広大多岐な観光関連産業の要所に大量供給すべきという社会的使命を持ったビジネスモデルに立脚しているのですが、その経営ビジョンを持った観光ホスピタリテイ産業経営学部学科が多数派になるまでは、まずは世界モデル例を日本国内でしっかりと提示してどちらが産業界や社会の支持を受けるかという刺激を与えるのが得策と言えます。

日本の既存観光学部が見事に取りこぼしている夜間・社会人教育セグメントに「経営スキル」を与えるという分野で、まさに私塾形式で実績を上げてきた宿屋塾が宿屋大学に昇華するというのは、その意味で重要な試験モデルだと思います。

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